タイトル:九羽の白鳥 とりどり日記

2023/7/1 散歩道

いろいろ目先を変えてゆっくりゆっくりの散歩を楽しんでいる。この日の出会いは、キジであった。田んぼを回っても、なかなかキジとの出会いの機会が少なくなりガッカリしていたのだが、河川敷の奥の方での出会いである。こちらの気配に気がついたのか、かなり猛ダッシュで道路を横切って行った。道路を横切るとき、ヒバリが驚いて飛び立ったのが印象的であった。鳥との出会いは、胸が弾む。

2023/7/2 散歩道

ずっと気になっていた里山を訪ねてみた。お目当ては、蝶と植物であったが、到着と同時に聞えて来たのは、ウグイスの美声と時折、聞えるホトトギスの声であった。ウグイスは、一体、何個体いるのかと思うほど、歩く先々で聞えて来る。しかし姿は、見えないと最初から諦めて探すこともしなかったのだが、あまりに近くで声がするので、少々気になりだしてきた。辺りを一通り見渡すとよく見えるところで囀っているウグイスの姿が目に入って来た。全身で囀るその姿には、熱いものを感じるのだった。

2023/7/3 里山

こんもりした木々が覆い被さるような小径を歩いて行くと綺麗な水辺が広がって来る。湖面には、緑の木々が映り込み、何とも美しい。小鳥の声が聞えて来たが、声の主の正体は分からない。

更に進むと道が広がって見晴らしの良いところに出た。桐の木が数本見える。桐の花は、紫色で甘い香りがし大好きだが、今は、実となってちょっとした芸術作品のようである。ブルーベリーも実をつけている。黄色のカンナが彩りを添えて心和ませてくれる。どなたに会うこともなく静かな静かな散歩のひとこまである。

2023/7/4 チョウトンボ

ずっと気になっていたチョウトンボ。以前出会った場所は、少々時間がかかるので、なるべく近くでチョウトンボを見られないかしらと思っていた。ふとたちよった公園の池のほとりに立ってみると何と2頭のチョウトンボが飛び回っている。元気良くそして仲良く飛び回っている。しかし、なかなかとまる気配がなく諦めて引き上げようとした矢先、やっととまってくれた。

欲を言えば、もう少し緑の綺麗なところで撮りたかったが、そのような場所には、とまってくれなかった。でも出会いに感謝である。またの出会いを楽しみにその場を離れたのだった。

2023/7/5 コジュリン

緑の稲田が広がる爽やかな光景。夏の雲もぽっかり浮かんで実にのどかである。遠くの方で懐かしい声がする。車で少しずつ近づいてみるが声の主の姿が見えない。♬チョッピチュリリリピッ♬紛れもないコジュリンの声である。やっとコジュリンの居場所が分かった。かなり距離はあるが、レンズをむけてみた。数年前には、もっと間近で、ゆっくり観察出来たのだが、今は、何と寂しいことだろう。この後も付近を回って見たが、コジュリンの姿を見ることはなかった。

2023/7/6 コチドリ

河川敷では、思いがけない出会いがいくつかあった。キジとの出会いも束の間の出会いであったが心に残るものであった。車からの観察とは言え、目の前にコチドリが姿を見せたことには少々驚いた。だんだん近づいて来る気配に少々戸惑いながら、レンズを向けたのだが、何と擬傷行為だったようで、すぐにその場を離れたのだった。きっと近くで子育てをしていたのであろう。今頃は、雛が自由に遊び回っているだろう。

2023/7/7 里山

ゆっくり歩く散歩道。この日は、里山を少し歩いてみた。早くもオミナエシの黄色のお花が見え、近くの小川には、ミズスマシの姿も見えて心が弾んで来る。オカトラノオの白いお花もたくさん咲いていて、オオチャバネセセリの姿も見えて来た。ネジバナは、実にたくさん咲いていて驚くばかりである。

今まで気がつかなかったが、何やら実がなっている。葉の形状と実から、桃で間違いないようだ。足元を見ると褐色のカエルがいる。調べたところ,ニホンアカガエルと言うのが正式名称らしい。

里山は、実にのどかで心落ち着くところである。

2023/7/8 散歩道

ゆっくり歩く散歩道。少し目先を変えて静かな公園を訪ねてみた。予想通り、どなたに会うこともなく静かにひとときを過ごすことが出来たのである。一番驚いたのは、ヤマモモで道路にビックリするほど大量に落ちていて、すっかり道をふさがれてしまって立ち往生。もちろんヤマモモを踏んで前進することは可能だが、私には出来なかった。メタセコイアの緑色の球果もたくさん見られ心地良い風に揺れる様は,見ていて気持ちが良かった。久しぶりにカワセミにも会え、充実した散歩を楽しむことが出来たのである。

2023/7/9 カルガモ

5月の連休の頃に田植えが済んだ田んぼでは、緑の稲が勢いよく伸びて辺り一面緑の絨毯を敷き詰めたようである。一方、7月に入る少し前に田植えを済ませた田もあり、田んぼの風景は、実に様々である。

田んぼをゆっくりゆっくり回っても今の時期は、農家の人に会うこともなく、作業のお邪魔をする心配もないので安心して田んぼ回りをすることが出来るのである。その田んぼでカルガモに出会った。もっと早い時期、幼鳥の頃に会いたいと思うのだが、なかなか機会が巡って来ない。あぜ道でゆったり休憩しているカルガモは、何とも愛らしい。上空をドローンが飛んだが驚く気配もなかった。田んぼは、のどかで心落ち着くところである。

2023/7/10 散歩道

静かな公園の一角で出会ったのは、ツバメシジミ。シロツメクサのところを自由に飛び回っている。もうちょっと右。いやいや違う、違う。もう少し左。心の中で呟いてみるものの、ツバメシジミには、通じない。そんなもどかしさを感じながら数枚、写真を撮ってみた。これは、ツバメシジミの雌である。今度は、ツバメシジミの雄に会いたいものである。

2023/7/11 カマキリ

静かな寺院を訪ねる機会があり、その一角で紫陽花を観賞しているとカマキリがひょっこり姿を見せてくれた。以前は、苦手でカマキリに近づくことはなかったが、写真に関心を持つようになって興味が湧いてきた。紫陽花の上を歩くカマキリは、ちょっとおどけて見えて何だか絵本の世界を見ているようであった。色づかいを少々変えてみたら、また別の世界が広がってきたようで何とも楽しい。機会があったら、別の昆虫でもこのような写真を撮ってみたいものである。

2023/7/12 アオサギ

ゆっくりのんびり緑の田んぼを回ってみた。この日、あちこちでアオサギを見かけたが近くにいるアオサギにモデルになってもらって数枚、写真を撮ってみた。数年前に比べれば鳥たちとの出会いの機会が激減し、今では、アオサギとの出会いも貴重である。緑の田んぼを背景にアオサギの採餌風景は、のどかで心落ち着くものであった。アオサギに感謝である。

2023/7/13 ヤマユリ

少し足を伸ばしてヤマユリが見られるというところに行って来た。勾配が急で、私には、無理かも知れないと思ったが、竹で手摺りが設けられており、片手は杖、片手は手摺りをつかまり、何とか全力を振り絞って歩いて来た。上にあがるとヤマユリが甘い香りと共に出迎えてくれ、ほっと心和むことが出来たのだった。

ここは、地元の方がボランティア活動の一環として整備しているとのこと。今の時期は、ヤマユリ。春は、カタクリの花が綺麗だった。また、時期を変えて訪ねてみたいところである。

2023/7/14 ハス

ずっと気になっていた古代蓮。見頃を過ぎてしまったかと気になっていたが、現地に着くと、思っていたより、はるかにたくさんの人がいて、まだまだ大丈夫なのかと一安心。日差しは、暑かったけれど、ゆっくり公園内を見て回ることにした。すでにお花が終わったものもたくさんあるが、まだまだこれからのもののあり、充分、楽しむことが出来た。

以前は、ここで珍しい蜻蛉を見る機会もあったのだが、今回は、蜻蛉の姿を見ることもなく、古代蓮をゆっくり観賞することに専念することが出来た。夏の暑さをひととき忘れ、心地良い風と優雅な蓮の花を観賞することが出来たのである。

2023/7/15 ヒバリ

田んぼの風景が大好きで、以前は、週に何度も田んぼに足を運ぶことがあったが、ずいぶん足が遠のいてしまった。足を運ぶと言っても車に乗ってゆっくり田んぼを回るだけなのだが、緑の田んぼを一回りするだけで、気持ちが落ち着き心が和んで来る。

この日、遠くのヨモギにとまっているヒバリを見つけた時は、嬉しかった。かなり距離があり、証拠写真程度になってしまったが、それでも嬉しかった。次に回ったところでは、砂利の上でヒバリが姿を見せてくれた。案外、出会いの機会の少ないヒバリに2カ所で会えて大満足の散歩であった。

2023/7/16 アレチハナガサ

あまりにも厚い日が続き、出掛ける気力が失せてしまう。そのような中、車で少し離れた河川敷に足を運んで見た。懐かしい光景が広がり、ひととき目の保養と心和む時間を過ごせたのである。アレチノハナガサは、久しぶりに見たが、涼しげで、この場所に似合っているように思った。少し離れたところでは、コチドリの姿も見られ、暑い中、出掛けた甲斐があったように思う。また、ひととき出掛けてみたいものである。

2023/7/17 コチドリ

暑さのため、なかなか出掛けることが出来ず、少し前の出会いからコチドリの幼鳥の紹介である。水たまりでコチドリの幼鳥が見られると聞いていたが、少し時間が経ってしまい、幼さも薄れ欠けていた。それでも、おぼつかない足取りや、顔の表情から親鳥とは違う愛らしさを感じて嬉しい出会いであった。今頃は、もうすっかり成長して大人の顔になっていることだろう。暑さに負けず、元気に育って欲しいものである。

2023/7/18 タイサンボク

自宅からそう遠くないところに静かな公園がある。幼稚園児などの姿を見かけたこともあるので、小さいながらも自然を楽しめる環境であることは間違いないようである。その公園にタイサンボクが数本ある。初めは、1本だけと思っていたが、お花の時期に、良く良く見たら2カ所にタイサンボクが植えられていることに気がついた。開花から変化していく様子を見てみると、何とも面白い。野鳥の観察も楽しいが、植物にも関心を持つようになって大自然の素晴らしさに胸を打たれている次第である。

2023/7/19 散歩道

少し涼しくなるのを待って夕方の時間、近隣を歩いてみる。思いがけない発見があったり、出会いがあったり、楽しみながらの散歩である。一番の目的は、歩行のトレーニングであるが、自然に恵まれた環境に住んでいることに大いに感謝している次第である。

見上げるとザクロがいくつか実をつけていて、小さな公園は、ドングリがいっぱい実をつけている。木陰に入ってみると蜻蛉がふわりと飛んだ。「とまってね!」と心の中で念じると、思いが届いたようである。どうやらこの蜻蛉は、ナツアカネらしい。すぐ近くでは、カリンがたくさん青い実をつけている。足元には、キキョウが涼しげである。散歩道は、のどかである。

2023/7/20 コチドリ

出会いを求めて少し足を伸ばしてみた。何分にも鳥との出会いがあまりに少ない。出掛ける回数が少ないのだから当たり前なのだが、それでも何か出会いはないものかと行き先を変えてみたら、コチドリが待っていてくれた。何故か、コチドリにばかり、良く出会う。ここでは、コチドリが5~6羽いるらしく鳴き声がして、度々飛び立っていた。すぐに飛ばれてしまうので、なかなか撮影出来なかったが、それでも何とか数枚撮れた。出会いに感謝である。

2023/7/21 散歩道

自宅近くをゆっくりゆっくり歩いている。暑い日が続くので、お休みの日が多いが、色々な発見があって楽しい。くちなしの花は、もうずいぶん前に終わったと思っていたが、1輪だけ、これから咲こうとしている花があり、すでに枯れてしまった花は、造花のようで、これはこれで楽しかった。ニイニイゼミの抜け殻も見つけた。ワレモコウは、すでに枯れかかっていたが、何とも風情ある佇まいで心惹かれるものがあった。ゆっくりゆっくり歩いている。

2023/7/22 ジャコウアゲハ

いつもように涼しくなる時間を待って、近隣を歩いて見ることにした。有り難いことにそれほど歩かなくても何か出会いがある。この日は、嬉しいことにジャコウアゲハに出会った。オニユリのところでしきりに飛んで吸蜜しているらしい。翅をパタパタ激しく振るので、写真は、ほとんどボケボケであった。それでも数枚残すことが出来て大満足である。オニユリにジョコウアゲハ。散歩道で出会えたことに一層嬉しさが増す。感謝、感謝のひとこまである。

2023/7/23 散歩道

涼しい時間を選んで近隣を歩いている。この日、久しぶりにミソハギのところに吸蜜に来るルリシジミに出会った。カタバミがすっかり姿を消してしまったので、今季は、ヤマトシジミが吸蜜に来るシーンが、まだとれないでいる。ミソハギのところに行くと時折、ルリシジミが飛んで来て、たのしませてくれた。カサブランカやムクゲ、ヤマボウシの実なども彩りを添えている。

2023/7/24 コチドリ

少し足を伸ばして蓮の花を見に出掛けた。到着と同時にコチドリの声がして辺りを探すとコチドリの親子の姿見ることが出来た。親鳥は、我が子を守ろうと時に声をあげることもあり、親子の絆を感じた次第である。雛の姿が草の陰に見え隠れして、少々撮影困難であったが、何とか数枚残すことが出来た。蓮池の方では、睡蓮が綺麗で見事な花を見ることが出来た。睡蓮を見ているとしばし暑さを忘れ心地良い風に吹かれてひととき楽しむことができたのである。

2023/7/25 アカメガシワ

涼しい日は、なかなか来ないが、少しでも過ごし安い時間を選んで、近隣を歩いている。この日は、ほんの少しだけ足を伸ばしてみた。サンキライの実が赤くなっていないか気になっていたのだが、緑色のままで、全く変化がないように見えた。近くには、ネムノキがあり、ひとつだけ名残の花をつけていた。アカメガシワも実をつけていた。白っぽい蝶が飛んだので、飛んで行った方角に進んでみるとコブシの実が目のとまった。あちこちで見かけることの多いコブシだが、こんなに近くにあることに少々驚く。

キキョウやオミナエシなど秋を感じる風情を楽しみながら、この日の散歩は、終了した。

2023/7/26 散歩道

昨年も一昨年も暑いさなか、よく足を運んだところに久しぶりに出掛けてみた。すっかり様変わりし、蝶の姿がほとんど見られなくなって何とも寂しい限りである。そのような中でもキタキチョウがヒラヒラと飛んで来てハギの花にとまってくれた。草陰のところでは、ジャノメチョウ。いずれも久しぶりの出会いである。しかし、必ずと言って良いほど見られたツマグロヒョウモンは、全く姿を見せてくれなかった。

近くでは、ギンナンがたくさん実をつけ、少し離れたところでは、柿がずいぶん大きくなっていた。ブルーベリーもたわわに実り収獲の時を待っているようであった。静かな散歩道。また、訪ねてみたいと思っている。

2023/7/27 沼のほとり

久しぶりに訪ねた沼のほとり。人気者のペリカンのカンタ君が出迎えてくれた。かなりの高齢と思うが、まだまだ元気なようで嬉しい限りである。沼の方に目を転じるとゴイサギの姿が見えた。距離はあったが、何とか撮影出来てヤレヤレである。蓮の花も一輪咲いていた。沼のほとりの風景は、静かで心落ち着き大好きである。

少し離れたところでは、ブルーベリーがたくさん実をつけて実に美味しそうである。ブラックベリーも近くにあった。足元には、雨蛙がぴょんぴょん飛んで来て実にのどかである。静かな静かな沼のほとり。また、ゆっくり訪ねてみたいと思う。

2023/7/28 散歩道

暑さのため、田んぼ回りもなかなか出掛ける気力がわかず、時折、自宅近くを歩いている。相変わらず、ゆっくりゆっくりの散歩だが、その分、出会いが多いような気がする。以前は、ヤマトシジミとの出会いの機会が多かったのだが、今季は、ヤマトシジミとの出会いが非常に少ない。その代わり、ルリシジミに実に良く出会う。

この日もルリシジミに出会った。数頭、少なくとも7頭は、確認出来たように思う。ヒメジョンのところでも4頭ほど飛び回っていた。何とか数枚撮れたが、動きは、結構忙しい。近くには、アザミの花も咲いていた。カサブランカは、数カ所で綺麗な花を見せてくれた。ゆったりとゆったりと時を刻んでいる。

2023/7/29 タイサンボク

大きな白い花が印象的なタイサンボク。すでに花の時期は過ぎているが、その後の様子が気になり、近くの公園に足を運んでみた。大きな葉が覆い被さるようにたくさんあって、花の終わった後は、残念ながら見られない。と諦めかけたとき、蕾のようにも見える実が葉の影になっていくつか見られることに気がついた。まだまだ赤い実が見られるまでには、時間がかかりそうだが、また、時々足を運んでみよう。植物の変化は、とても楽しみである。

2023/7/30 稲の花

田んぼ道を車で走ると稲田が広がって、何とも心地良い。すでに稲穂がところどころに見えるようになり、もしかすると稲の花が見られるかも知れないと車を停めてみた。何ともタイミング良くとめた位置が良かったらしい。右手の田んぼに広がる稲には、たくさんの花が咲いている。小さな小さな花だが、今年も見られたことに感謝である。ほのかに甘い香りも伝わってくるような気分になった。田んぼは、心落ち着くところである。

2023/7/31 散歩道

格別の暑さが続き、なかなか出掛ける気力が湧かない。何とか重い腰をあげて近くの田園風景を楽しもうと車で出掛けた。カンカン照りであったが、木陰に入ると何とも心地良い。夏草がいたるところで伸び放題。私の背をはるかに越えている。空を仰ぐと夏の雲がぽっかりと浮かんで何とも心が安らぐ。ほんのひととき、自然の空気を胸いっぱいに吸って帰路に着いた。