タイトル:九羽の白鳥 とりどり日記

2023/9/1 コジュリン

早いもので、今日は、もう9月。長月である。これから夜の時間が長く感じられるようになることだあろう。虫の音も涼しい風に乗って聞えてくれればと願っている。

久しぶりに回った田んぼで、♬チョッピチュりリリピッ♬あのコジュリンの声が聞えて来た。例年、コジュリンを観察して来た田んぼでは、なかなか会えなくなってしまったが、全く予想していなかった田んぼである。その驚きと嬉しさ。ほんの一瞬の出会いであったが、何とか写真に収めることが出来た。嬉しい出会いであった。

2023/9/2 イトトンボ

気になっていた蓮池を見に所用で出掛けた帰り道、立ち寄ってみた。もう蓮の花の時期は、終わってしまったようで、ほんの数本、蓮の花が見られただけであった。

園内をぐるっと回って帰ろうとしたとき、蓮池の1カ所、水が道路にしみ出しているように見えるところに、何やらかすかに動く気配を感じた。良く良く見ると、イトトンボのようである。それも5頭も6頭もいるようだ。じっと目をこらして見ると10頭近くいたように思う。写真に撮れる個体は、限られているが、嬉しい嬉しい出会いであった。

2023/9/3 散歩道

体調に合わせて近隣を時折歩いているが、少し足を伸ばして色々な公園を訪ねることがある。それぞれに特色があって、植物や昆虫との出会いもあり、足を運ぶのが楽しみになっている。

この日は、車で10分ほどの公園を訪ねてみた。散歩の人と、木陰に車をとめて休憩している人くらいで、実に静かである。気になっていたタイサンボクは、あまり変化がなく、近くの木にとまった蝉にレンズを向けてみた。アブラゼミは、良く分かるのだが、もうひとつは、おそらくミンミンゼミであろう。クマゼミを探しているのだが、この夏、とうとう出会いがなかった。

暑い夏も少しずつ遠ざかって行く。

2023/9/4 沼のほとり

ずっと気になっていた沼のほとりの公園。所用で出掛けた帰りに立ち寄ってみた。夏には、訪れたことがなかったかもしれないとふと思ったが、ずいぶん昔、花火の翌日に訪れたことがあったことを思いだした。

貸しボートがたくさんあり、スワンボートもたくさんあって、この光景は、何故か懐かしく思われた。岸辺から見る対岸の光景は、ずいぶん様変わりしている。以前は、スズメがたくさん見られたのに、何故か1羽もスズメの姿を見ることがなかった。鳥は、たった1羽、カワラバト見ただけである。

2023/9/5 ムラサキシジミ

ゆっくり歩く散歩道。自宅近くに自然豊かな環境があって、気が向いた時、時間をかけてゆっくり歩くのが楽しみになっている。この日、夕方近くになって家を出て、小一時間ゆっくりゆっくり歩いて来た。

思いがけない出会いは、小さな蝶と小さな蜻蛉である。いつもは、植物にレンズを向けることが多いので、やはり生きものに出会うと嬉しさが増す。静かな木陰に入ってひと休みと思って立ち寄ったところでの出会いである。気になっていたジャコウアゲハは、蛹の姿を見ることもなく、抜け殻だけが残っていた。

2023/9/6 散歩道

ゆっくり歩く散歩道。小さな蜻蛉と小さな蝶に出会ったところを再度、訪ねてみると、2頭のコノシメトンボを見ることが出来た。時折、飛び立って、また、同じところに戻ってくる。それの繰り返しで、ずいぶんシャッターを押してしまったが、楽しませてもらった。

少し前までは、1輪見つけるのがやっとであったテイカカズラが、真っ白で清楚な姿をたくさん見せてくれて、そこだけが明るく感じられた。自宅近くのブラシの木は、元気いっぱいである。

2023/9/7 キジ

以前は、よく足を運んでいた田んぼ。この夏の暑さは、格別ということもあって、なかなか重い腰が上がらなかった。久しぶりに車で懐かしい田んぼに向かう。広々と広がる稲田は、黄金色に輝き、収穫の時を待っているようだ。

あぜ道は、ところによって除草剤を撒かれてしまい、枯れ草ばかりでがっかりすることが多々あるのだが、緑の草が生い茂っているところがあった。小さな鳥のようなものがチラチラ見えた。キジの幼鳥らしい。

2羽のキジは、右に行ったり左に行ったりしていたが、あっという間に稲田に姿を隠してしまった。出会いは、本当に不思議だと思う。ほんのひとときタイミングがずれていたらこの2羽のキジに会うこともなかったであろう。出会いを大切にしたいものである。

2023/9/8 ツユクサ

久しぶりに足を運んだ田んぼで、たくさんのツユクサを見かけた。他の田んぼでツユクサを探したときは、ガッカリするほど少なかったので、かなり驚いた。

ツユクサは、大抵、稲穂が垂れている下の方にひっそりと咲いているものだと思っていたが、今回、出会ったツユクサは、稲穂と並んで、稲田に彩りを添えるような形で姿を見せてくれた。稲穂と露草。私にとってもは、感動的な出会いである。

小さな川沿いには、チュウサギがたくさん並んで羽を休めていた。

2023/9/9 ヒバリ

久しぶりに出掛けた田んぼ。収穫の済んだ稲田もあれば、まだまだ青々としている稲田もあって、実に様々である。その田んぼ全体を取り囲むように360度ぐるりと雲が繋がって見える。その形がさまざまで、見ていて実に楽しい。

収穫の済んだ田んぼを良く良く見ると、1羽の鳥影が見えた。ヒバリである。鳥との出会いの少ない昨今、ヒバリに会えて心が弾む。何とか数枚写真を撮ることが出来た。この日の出会いは、このヒバリだけであった。

2023/9/10 ツバメチドリ

少々小雨が降りそうな気配であったが、田んぼに足を運んでみることにした。暑い日が続き、なかなか出掛ける機会がなかったので、何か出会いがあればと念じていた。

稲田の片隅でタカブシギらしい個体を見かけたが、すぐに飛ばれてしまい、確認することすら出来なかった。がっかりしてしまったが、別の田んぼに一羽の鳥を発見。どうやらツバメチドリのようである。

何に驚いたかのかそのツバメチドリが飛び立ってしまった。それと一緒に数羽の鳥が飛んだが、おそらくツバメチドリであろう。その群れがまた戻って来た。全部で7~8羽は、いたように思う。久しぶりの嬉しい出会いであった。

2023/9/11 トビ

久しぶりに出掛けた田んぼで、空を見上げるとトビが悠々と飛んでいる。決して珍しいシーンではないが、大空を悠々と飛ぶトビの姿に妙に心を惹かれレンズを向けてみた。私の小さなカメラでは、どうかな?との思いもあったが、何と嬉しいことに何とか写っていた。

近くには、ツユクサがたくさんあって涼しげで清々しい光景に心癒やされるひとときを過ごすことができたのである。

2023/9/12 ツバメシジミ

近くの田んぼ回りをしたときのこと、ヒラヒラと飛び回るシジミチョウに出会った。近くには、アカツメクサがたくさんあったので、「どうかアカツメクサにとまってください。」と祈りに近い心境で見守っていたのだが、願いは、叶わず、笹のような葉の上にとまってしばらく翅を休めていた。この後、期待した翅を広げるシーンは見られず、あっさりと飛び去ってしまった。

このシジミチョウの名は、ツバメシジミである。

2023/9/13 ギンヤンマ

所用の帰りに立ち寄った馴染みの公園。期待していたのは、トンボなのだが、何と何と目の前をカップルで飛ぶトンボがいる。すぐには分からなかったが、産卵のため着水したトンボを見てビックリ。今季、まだ出会いの機会のなかったギンヤンマである。数枚、連写したが、すぐに飛び立ってしまった。

別のところでは、池の水の中に潜るようにして産卵するギンヤンマを見ることが出来た。久しぶりの嬉しい出会いであった。

2023/9/14 ショウジョウトンボ

ギンヤンマに出会った公園で、ショウジョウトンボにも出会った。鮮烈な赤い色が目を引くトンボである。一頭だけなのだが、その赤さの故か、実に印象深く記憶に残っている。

お気に入りのスポットがあるようで、決まった場所に必ずとまる。だからあまり振り回されることなく、楽に撮影出来たのだった。ショウジョウトンボ、また、会いたい蜻蛉である。

2023/9/15 田んぼのひとこま

今年の稲の刈り入れは、例年よりずいぶん早いようである。早いところでは、8月に入って間もなく収穫がすんでいて驚いた。関東平野は、穀倉地帯なので、稲穂の揺れる光景をあちこちで見かける機会がある。

まだ収穫の済んでいない稲田を見ると台風の被害にあわないようにと祈る気持ちになってくる。田んぼで良く出会うアオサギやチュウサギを見かけるとたわわに実った稲田が一層、美しいものに見えてくる。稲田が見られる光景は、大好きである。

2023/9/16 散歩道

散歩道で見られる光景の中に蓮池がある。そこは、古代蓮が綺麗に咲いてひととき、大いに楽しませてくれた。今は、時期が過ぎてしまったので、花托が見られるのみである。花托は、いろいろ表情があって、良く良く見れば、実に楽しい。

その蓮池には、スイレンも咲いている。暑さの中で、アヤメが一輪咲いていたことがあった。散歩道は、心癒やされる光景が見られて嬉しい。

2023/9/17 イトトンボ

自宅からそう遠くないところに大好きな公園がある。元気な頃は、電車と徒歩で行っていたが、今は、少々無理があり、家族の車を頼りに時折、出掛けている。

その公園で思いがけずイトトンボを見かけた。どうやらクロイトトンボのようである。イトトンボは、とても細くてじっと目をこらして見ないとなかなか見つけることが出来ない。

木道に座って下草の辺りを眺めているときに見つけることが出来た。久しぶりの嬉しい出会いであった。

2023/9/18 散歩道

自宅近くの散歩道を時々ゆっくり歩いている。植物にしても昆虫にしても出会いがあると嬉しいものである。この日は、行く手に見える雲が、まるで山の峰のように見えて高原にでも出掛けた気分に浸れたのだった。

ウマノスズクサがまだ、ほんの少しだけ咲いていたし、ヤマボウシも楽しい表情を見せてくれた。マンションの工事をしているところでは、クレーン車と雲が楽しい風景となって心和ませてくれた。また、ゆっくり歩いてみたいものである。

2023/9/19 散歩道

自宅からそう遠くないところにあるお気に入りの公園。時折、家族の車に乗って出掛けている。そこには、小さな池があって、トンボがいくつか見られている。この日、とても珍しいシーンに遭遇した。忙しく飛び回っていたチョウトンボが、突然、水面に降りたのだった。一瞬、どきっとしたが、次の瞬間、さっと元気よく飛び立ってどこかに飛んで行ってしまった。雌ならば、産卵という事も考えられるが、雄のようであり、何とも不思議であった。散歩道は、変化に富んでいて実に楽しい。

2023/9/20 スズメ

お気に入りの公園に出掛けたときのことである。到着して程なく、鳥の声が3種聞えた。ひとつは、すずめであり、他の2種は、エナガとシジュウカラの声であった。木々の葉が、生い茂っているので、見つけるのは、困難と思ったが、久しぶりに鳥の声を耳にし、胸が高鳴った。

結局、出会えたのは、スズメだけであったが、サービス満点で、良いモデルになってくれた。モンキチョウやオミナエシとの出会いもあり、散歩を充分楽しむことが出来たのである。

2023/9/21 散歩道

久しぶりに出掛けたのは、コウノトリの里である。ここで巣立ったコウノトリは、どうやら渡良瀬にいるようで、姿を見ることは叶わなかったが、稲穂が揺れるのどかな光景を見ることが出来て心和ませてもらったのだった。ここの百日紅は、ことのほか鮮やかな色をしており、足を止める方も時々見かける。

近くの公園の風景もなかなか素敵で、久しぶりにのんびりした時間を過ごすことが出 来たのである。

2023/9/22 タカブシギ

久しぶりに出掛けた蓮田地帯。やはり気になるのは、シギチである。かつては、日参したことのある地であるが、年齢と共に行動が緩慢になり、月に一度訪れることがあるかないかと言ったところである。

体調もあり蓮田地帯の奥まで入るようなことはせず、車で一回りであったが、シギチとの出会いは皆無であった。シギチに会いたいという強い想いが通じたのであろうか、最後の最後にタカブシギが登場してくれた。大好きなシギであるだけに嬉しさは、格別である。2羽のタカブシギが仲良く並んでくれたことも嬉しかった。

2023/9/23 チョウトンボ

久しぶりに出掛けた公園には、実にたくさんのシジミチョウが草地を自由自在に飛び回っていた。その公園の一角にある池で、何か蝶に出会えないかと出掛けてみたところ思いが通じたようである。チョウトンボとコシアキトンボを見ることが出来た。翅の傷みもなく、実に綺麗なチョウトンボであった。

ヒラヒラヒラヒラ。小さな池を自由自在に飛び回り、小さな杭にとまって、また飛び回っていた。のどかなのどかな光景である。

2023/9/24 散歩道

少々早起きして自宅近くをゆっくり歩いてみた。ここしばらく鳥との出会いがなく寂しく思っていたのだが、嬉しいことに小鳥の声が聞えて来た。耳を澄ましてみるとメジロの声だというのが分かった。それもおびただしい数のメジロである。暗くて遠くて写真は、無理であったが、本の一瞬、近くを飛んでくれた。また、ゆっくり会いたいものである。

2023/9/25 ウラギンシジミ

いつもとは目先を変えて出掛けた公園。誰ひとり会うこともなく生い茂った草地をゆっくり歩く。シジミチョウが草地をたくさん飛び交っている。おそらくほとんどが、ヤマトシジミであろう。久しぶりにセセリチョウにも出会った。それは、チャバネセセリであった。

行く手の枯れ草のところにとまっていた白い蝶。おそらくウラギンシジミと思ったが、すぐに飛び立ってしまった。心残りがあり、付近を探してみると、嬉しいことに藤棚の近くにとまっていた。何とか開翅まで待ちたかったが、根負けしてしまった。

2023/9/26 エナガ

朝、少々早起きして自宅近くを歩いてみた。本当は、もう少し早起き出来れば良いのだが、なかなか起きられない。夕方の散歩も時々しているが、やはり朝は、新鮮で気持ちが良い。

歩き始めて程なく駐車場近くの大きな木に小鳥が集まって来た。次々に飛んで来る。残念ながら逆光で距離もあり写真は、難しいと諦めた。どうやらメジロとエナガの混群のようであった。その数30羽以上いたと思われる。

しばらくすると何と目の前の電線にエナガが一羽とまってくれた。遮るものもなくエナガ本体は、バッチリ撮れるが、やはり木の中で撮りたい。その思いが通じたようで、ほんのひととき、木の中でモデル役を務めてくれた。また、ゆっくり会いたいものである。

2023/9/27 タカブシギ

シギチに会いたくて出掛けた蓮田地帯。丁寧に回らなかったこともあり、出会いは皆無に等しかった。しかし、タカブシギとの出会いには、胸が弾みたくさんの写真を撮ったのだった。

枯れた蓮の上に乗ったタカブシギ。これは、絵になり嬉しくまた楽しかった。車からの撮影であるので、鳥に負担をかけることは、ほとんどなかったと思うが、短時間で引き上げたのである。

2023/9/28 アオサギ

久しぶりに訪ねた蓮田地帯。車からの観察であるが、ゆっくりゆっくり回ってみた。歩くことがなかなか難しいので、すべて車からの観察であるが、何とも懐かしい光景が広がってくる。元気で飛び回っていた頃の自分の姿が目の前にあるようで感慨深いものがある。

この日、残念ながらシギチに出会うことはなかったが、アオサギが、ひょうきんな顔で出迎えてくれた。蓮田地帯は、懐かしい思い出でいっぱいである。

2023/9/29 カルガモ

久しぶりに回った蓮田地帯。その蓮田地帯と隣接するところに湖畔が広がる。湖畔沿いに車を走らせると所々の石の上に、カルガモの姿が見えた。のどかな光景で見ていてほっとする。カワウと鷺とカルガモが並んでいる光景は、和やかで何とも心が落ち着く。

夏から秋へ移りゆく流れる雲は、まるで絵本の一ページを見ているようである。少し離れた干拓地では、コジュリンの姿が遠くに見えた。季節は、確実に進んでいく。

2023/9/30 チュウサギ

のんびりゆっくり田んぼを回ってみた。今の時期、多く見かけるのは、チュウサギである。続いてアオサギ。コサギは、ほとんど見かけることがない。今回も出会ったのは、チュウサギとアオサギであった。

田んぼの片隅で出会ったのは、スズメの群れ。稲刈りの済んだ田んぼから道路を隔てて壊れかけたビニールハウスのところへ一斉に飛んで行く。その数、30羽くらいであったろうか。何とか数羽を撮影することが出来た。のどかな光景には、心癒やされて力が湧いてくる。