タイトル:九羽の白鳥 とりどり日記

2023/10/1 ヤマガラ

数日前からヤマガラの声が時折、聞えて来るようになり、そわそわと心落ち着かない日々を過ごしていた。カーテンを開けてそっと外の様子を見てみると、何と待ちに待っていたヤマガラがエゴの実を咥えている姿が目に飛びこんで来た。

嬉しくなって大急ぎでカメラを出し、そっとそっとベランダに出てみた。ベランダの柵越しにレンズを向け、数枚、シャッターを押す。写っているか半信半疑であったが、何とか数枚可愛いヤマガラの姿が写っていた。何とも嬉しい朝であった。

2023/10/2 韮の花と昆虫

ずっと心待ちにしていた韮の花。昨年、韮の花に集まるオオスカシバを撮影したことがあり、今季も是非、撮影したいと心待ちにしていた。ようやく田んぼのあちこちで韮の花を見かけるようになり、数カ所の韮の花を撮影することが出来た。オオスカシバには会えなかったが、色々な蝶をはじめ昆虫と共に撮影することが出来たのである。

外来種のヒレタゴボウとマルバルコウソウは、あちこちで見かけた。特にヒレタゴボウの繁殖力は、もの凄く、稲田に侵入しているようにも見えて、今後が心配である。

2023/10/3 カラスウリ

ずっと気になっていたカラスウリの花と実。昨年は、早朝出かけた田んぼでカラスウリの花を見ることが出来た。普通のカラスウリとは違う種のようであったが、その美しさ、妖艶さに心を奪われたことが懐かしい。今年も出会いたいと、その地を訪ねてみたが、すっかり草刈りされてしまってカラスウリは、跡形もなく消え去っていた。

久しぶりに出掛けた田園地帯で、ゆっくり車を走らせていると目の前に赤い実がふたつ飛びこんで来た。車を停めて辺りを見るとカラスウリの実がたくさんなっている。夜には、妖艶な花を咲かせたであろう真っ白な花の名残もあちこち見かける。

今年もカラスウリに会えてヤレヤレである。

2023/10/4 彼岸花

あちこちのブログやフェースブックなどで見かけるようになり、気になっていた彼岸花。韮の花を探しに出掛けた田園地帯で、わずかではあるが見ることが出来た。

近くには、ツユクサもたくさん咲いていて心和ませてもらった。ツユクサがこれほど群生しているところは、なかなかないので、嬉しくなって何枚もシャッターを押したのだった。

車のフロントグラスにとまったウラナミシジミは、羽化して間もないようで、とても美しかった。

2023/10/5 栗と彼岸花

気になっていた彼岸花を探しに田園地帯を回って見たときのこと、あちこちでたくさんの栗の実を見かけレンズを向けてみたのである。まだイガは、青いが、充分熟しているようにも見えた。スーパーの店頭でも栗を見かけるようになった。今、まさに栗のシーズンなのだと、しみじみ思った。

近くには、葛の花がたくさん咲いていて、シジミチョウがたくさん飛び回っていた。

2023/10/6 韮の花咲く頃

ずっと気になっていた韮の花をあちこちで見かけるようになり、数カ所で韮の花と昆虫を撮影する機会に恵まれた。ヒメアカタテハ、イチモンジセセリ、ハナムグリ、イナゴなど多彩な顔ぶれで、ゆっくり韮の花と共に楽しむことが出来たのである。

近くには、キツネノマゴがたくさん生えていて、懐かしい気分が更に高まったのだった。野の花をゆっくり楽しむことが出来るのは、何よりの幸せである。

2023/10/7 蕎麦の花

ずっと気になっていた蕎麦の花。1ヶ月ほど前に訪ねたときは、蕎麦畑を耕しているところであった。そろそろソバの花が見られる頃かと思い訪ねてみると一面の蕎麦の花。真っ白で実に綺麗である。昨年は、ソバの花のところで数種の蝶を撮影したので、期待していたが、この日は、ミツバチらしい姿を見かけたのみである。

また日を改めて行ってみたいと思っている。

2023/10/8 ハマシギ

久しぶりに訪れた蓮田地帯。歩くことが困難なため、車からの観察になるので、限られたポイントのみ回ってみた。今季は、シギチの情報があまり流れてこないので、出会いは難しいかもしれない。そう思いながら蓮田地帯を一回り。

ネットの張ってある蓮田地帯は、除外して探して回った。蓮の収穫がまだのところが結構あって、シギチとの出会いは、難しそうである。しかし1カ所開けたところを発見。複数のシギチの姿を見ることが出来た。そのひとつがハマシギである。夏羽を残していて何とも可愛い。久しぶりの出会いに胸が弾んだ。

2023/10/9 トウネン

久しぶりに訪れた蓮田地帯。蓮の収穫は、まだまだのところが多かったが、何とか1カ所開けたところを見つけた。そこに複数のシギチが集まっていた。一番数多く集まっていたのが、トウネンである。おそらく20羽近くいたのではないだろうか。それぞれが忙しそうに小走りに蓮田を動き回り、エサ探しに余念がない。旅の途中、立ち寄った蓮田地帯。たっぷり栄養補給してもらいものである。

2023/10/10 湖畔

蓮田地帯に面したところに霞ヶ浦が広がる。その湖畔沿いに車を走らせると遠くに筑波山が見え、何とも心落ち着く風景が展開され大好きな場所である。

すぐ近くの収穫の済んだ田んぼには、トビが1羽舞い降りていた。まだ幼さを残した若い個体である。右を向いたり左を向いたりしていたが、食事の時間でも来たのだろうか。あっという間に飛び立って行った。

2023/10/11 コチドリ

蓮田や田んぼで良く見かけるコチドリ。しかし、今季は、そのコチドリにさえ、なかなか会えない。そう思っていた矢先、広い広い蓮田を動き回っている数羽のコチドリを発見。全部で4~5羽いたのではないだろうか。

もう1カ所、別の蓮田でもコチドリの姿を見ることが出来た。こちらは、比較的近距離での撮影である。

2023/10/12 キジ

この夏の暑さは、格別で、車からの観察とは言え、なかなか田んぼ回りをする勇気も気力もなかった。9月の末になって、ようやく秋の気配を感じるという異常気象。地球は、今後どうなってしまうのだろうか。

愚痴を言っても始まらない。涼しい日を選んで田んぼに出掛けることにした。ほぼ7~8割が収穫を終えている。その田んぼの一角でキジに会った。あぜ道の草のところから次々に姿を見せて全部で10羽くらいいたように思う。若い雄と雌であった。おそらく兄弟であろう。こんなにたくさんの若いキジを見るのは、初めてのことで少々驚いた。田んぼは、大好きな場所である。

2023/10/13 タカブシギ

久しぶりに訪れた蓮田地帯では、タカブシギにも出会った。広い広い蓮田にたった1羽のタカブシギ。収穫の済んだ蓮田で、熱心に餌取をしていたからタカブシギの好物が見つかったのかもしれない。

タカブシギは、背中の模様が刺し子模様のようで大好きである。シックで美しい佇まい。1羽でポツンといるタカブシギは、一層美しく見えた。

2023/10/14 湖畔

蓮田地帯に面したところに広がる霞ヶ浦。とおくに筑波山を望むことが出来、大好きな場所である。一番好きな場所は、手前に蓮田を入れて遠くの筑波山を望む光景である。晴れていれば、筑波山がくっきりと見えて爽やかな光景が広がるのだが、どんよりと雲の厚い日に行ったので、暗い写真になってしまった。しかし、これもまた、なかなか味わい深いものと思っている。

近くの蓮田では、セイタカシギやチュウサギの姿が見え、一層、心が弾んだことであった。

2023/10/15 アメリカウズラシギ

秋の渡りのシギたち。気になりながらなかなか出掛けられずにいたが、知人から情報をいただき出掛けてみることにした。嬉しいことにアメリカウズラシギがたくさんのウズラシギの中にいると言う。シギによっては、識別が困難なものもあるが、アメリカウズラシギは、多分分かるであろう。

収穫の済んだ広い蓮田にたくさんのウズラシギとトウネンが集まっていた。その中の1羽。特徴があり、すぐにアメリカウズラシギと分かった。何と大サービスで、水浴び、そして羽繕いと次々に披露してくれた。見ている私は、大満足。観客も少なく私を入れて3名。アメリカウズラシギとの出会いに感謝である。

2023/10/16 エリマキシギ

秋の渡りで賑わっている蓮田地帯。ここ数年、不調であったので、今季、いろいろなシギチで賑わう蓮田地帯は、とても魅力的である。その蓮田地帯で2羽のエリマキシギに出会った。まだ若い個体のようである。見下ろすような場所からの観察であったが、存分にその姿を楽しむことが出来た。

2023/10/16 エリマキシギ

秋の渡りで賑わっている蓮田地帯。ここ数年、不調であったので、今季、いろいろなシギチで賑わう蓮田地帯は、とても魅力的である。その蓮田地帯で2羽のエリマキシギに出会った。まだ若い個体のようである。見下ろすような場所からの観察であったが、存分にその姿を楽しむことが出来た。

2023/10/17 ハジロコチドリ

久しぶりに訪れた蓮田地帯。歩くことが困難な私であるが、知人から情報をいただき、なるべく歩行距離が短いルートを教えていただいた。その蓮田は、今まで一度も訪ねたことがない場所であった。

その蓮田には、エリマキシギやキリアイなどもいたが、ハジロコチドリが、クリクリした目で出迎えてくれた。久しぶりに見るハジロコチドリ。嬉しくなってシャッターを押す手が震えた。出会いに感謝であった。

2023/10/18 キリアイ

秋の渡りで楽しみにしているシギのひとつが、キリアイである。独特の嘴が印象的で、初めて出会った日の感激が鮮やかによみがえって来る。今回は、少々距離があり、なかなか近づいて来てくれなかったのが、心残りであるが、何とか数枚、撮影出来たので良しとしなければと思っている。

干潟などでは、比較的出会いが多いようであるが、田園地帯でキリアイとの出会いは、案外少ない。それ故か、キリアイが見られているとニュースが流れるとバーダーの間では、キリアイの話題で盛り上がるようである。とにかく今季もすんなり出会えたことに感謝である。

2023/10/19 ウズラシギ

秋の渡りのシギチの中で、出会いを楽しみにしているシギのひとつがウズラシギである。ここ数年、秋の渡りでウズラシギの群れに出会うことが多い。今季も、運良くウズラシギの群れを見る機会に恵まれた。蓮田地帯に3回ほど足を運んだが、その折々に出会いに恵まれ感謝、感謝である。まだまだシギたちとの出会いに恵まれそうである。出来れば、後数回、蓮田地帯に足を運んでみたいものである。

2023/10/20 タカブシギ

シックで目立たないシギなので、それほど人気があるわけではないが、私の大好きなシギのひとつがタカブシギである。蓮田地帯に出掛けると、ほぼ間違いなくと言って良いくらい私は、タカブシギに出会う。でも出会えない人の方が多いようである。

この日は、1枚の蓮田にたくさんのタカブシギが集まっていた。その中には、1羽のクサシギと1羽のイソシギも混じっていた。思いがけなくたくさんのタカブシギに出会えて大満足の一日であった。

2023/10/21 タシギ・コチドリ・トウネン

待ちに待っていた蓮田地帯の秋の渡りのシギたち。昨年も一昨年も不調であったので、今季は、是非、たくさんのシギチに会いたいものだと思っていた。その願いが通じたのであろうか。なかなか順調な滑り出しである。

この日、遠くにタシギの姿が見えた時は、嬉しかった。ほかの蓮田では、コチドリもトウネンもたくさん集まっていて久しぶりに賑やかな声が聞えたのである。

2023/10/22 ホオジロ

トイレ休憩で立ち寄った公園。少々離れたところに1羽の見慣れない鳥が見えた。カメラを向けたが、何故か、焦点が合わない。そのうち、その鳥は、姿を消してしまっ た。しばらく付近を探すと先程の鳥らしき姿見えた。黄色味を帯びて、もしや珍鳥?とドキドキしたが、どうやらホオジロの幼鳥のようである。

そのうち、ホオジロの雄も姿を見せた。口元には、しっかりご馳走をくわえていたので、今、育雛中のようである。公園の一角で思いがけない出会いであった。

2023/10/23 ヤマガラ

♬ニーニーニー♬朝の窓辺からヤマガラの声が聞えて来る。カメラを持ち出し、ベランダに出てみると2羽のヤマガラが階下のエゴノキに飛んで来て、すぐにまた離れた木立の中に消えて行くのが見えた。何分にもその行動の速いこと、速いこと。エゴノキは、まだ葉っぱがたくさんあって、枝もごちゃごちゃしていてピントが合わせにくい。何とか数枚撮れていたので良しである。

2023/10/24 ノビタキ

9月の半ばごろから気になっていたのが、ノビタキである。近くの田んぼで見られていると風の便り。遅ればせながら出かけてみたが、どうもすでに移動したようで、姿が見えない。

他の田んぼに足を運んでみると、遠くで飛び回っている小鳥の姿が見えた。飛び方と言い姿かたちと言い、これは、ノビタキに違いない。距離があって、接近できる場所ではなかったのが、幸いしたのか、何とか証拠写真のみ撮れた。今度は、もっとゆっくり背中側も撮影できたら嬉しいのだが。

2023/10/25 ツツドリ

久しぶりに立ち寄った静かな公園。この公園は、広々としていて大好きな公園なのだが、ほとんど人に出会うことがない。野鳥との出会いも少ないが、蝶やトンボには、今までいろいろな出会いがあった。

その公園で、何とツツドリに出会った。目の前の木の枝に何やら鳥がとまった。ヒヨドリとは違うし鳩でもない。もしかしたらツツドリかもしれない。ドキドキしながらレンズを向けてみた。空抜けであったが、今季、まったく出会いのなかったツツドリを目の前にして少々緊張した。

自宅でパソコンに入れるまで、半信半疑であったが、やはりツツドリに間違いないようである。思いがけない嬉しい嬉しい出会いであった。

2023/10/26 チョウゲンボウ

大好きな田園地帯を車でゆっくり回ってみた。何より嬉しかったのは、遠くに筑波山がすっきり見えたことである。草地では、ヤマトシジミがお出迎え。水路付近では、イトトンボが飛んでいる。小さな池には、黄色の睡蓮がひとつポツンと咲いている。

さらに車で走ると遠くにチョウゲンボウの姿が見える。何ともあどけない表情が愛らしい。久しぶりの出会いにひととき胸が弾んだ。大好きな田んぼ。また、ゆっくり回ってみたいものである。

2023/10/26 コゲラとチョウ

時折、訪れる静か公園。かなり広い公園であるが、あまり人に出会わない。もっとも、日曜、祭日などは、家族連れで賑わっているようである。

緑が多く、夏は、木陰が嬉しく、これから冬に向かっては、鳥たちとの出会いが楽しみな公園である。その公園で、久しぶりにコゲラに出会った。スルスルとコゲラの移動は、結構はやい。すぐ近くの池の畔では、ヒレタゴボウ(アメリカミズキンバイ)の黄色い花に蝶が集まって来ていた。キタキチョウ、ヤマトシジミなどである。

2023/10/27 アメリカウズラシギ

秋の渡りのシギチの飛来が気になっていたが、今季は、好調のようで、数回、蓮田地帯に足を運んでいる。

この日、アメリカウズラシギとの出会いがあり、3羽が目の前に姿を見せるという、好条件に恵まれた。今から10年近く前、牛舎の近くで、アメリカウズラシギが人を警戒することなく目の前に姿を見せたことが懐かしい。シギチの観察は、かなり距離があることが多いので、とても嬉しい出会いとなった。

2023/10/28 コアオアシシギ

今季、なかなか出会いのなかったコアオアシシギ。距離は、あるもののセイタカシギの群れの中に2羽のコアオアシシギの姿を見つけたときの嬉しさは、格別であった。

鳥との出会いは、不思議なもので、一度出会うと二度、三度。その後、コアオアシシギに3カ所ほどで出会いが実現した。華奢でスマート、少女のようなイメージのコアオアシシギ。大好きなシギである。

2023/10/29 ヒバリシギ

なかなか出会いの機会のなかったシギのひとつがヒバリシギであった。3羽のアメリカウズラシギとの出会いが実現した日、同じ蓮田にヒバリシギの姿があった。複数のヒバリシギがいたようである。実は、足の黄色味を識別のひとつにしているので、泥だらけになってしまうと少々頭を悩ませてしまうのである。この日のヒバリシギは、まさしく泥だらけで、はっきりした数字が、私には、把握出来なかった。いずれにしてもヒバリシギとの出会いが叶い、嬉しい日となった。

2023/10/30 オジロトウネン

しばらく出会いの機会のなかったオジロトウネン。トウネンとの出会いは、数回あったのだが、今季は、なかなか出会いがない。そう思っていたところ、ヒバリシギと一緒に歩いてくるオジロトウネンの姿が目に入って、思わずドキドキ。会いたいと願っているシギチが、目の前に姿を見せてくれると体に力が湧いてくる。

秋の渡りが順調のようで、嬉しい限りである。是非、また蓮田地帯を訪ねてみたいものである。

2023/10/31 アメリカウズラシギ

今季、蓮田地帯に飛来するシギチが好調のようで、何度か足を運んでいる。アメリカウズラシギには、縁があるようで、ほとんど毎回のように出会いがあり、嬉しい限りである。

今季、初めて蓮田地帯を訪れた日、ヨーロッパトウネンやウズラシギを見た蓮田を見ていると、嬉しいことにアメリカウズラシギが飛んで来た。何もいない蓮田にシギが飛んで来て着地するというシーンは、たまらない魅力である。良き出会いに感謝、感謝である。