タイトル:九羽の白鳥 とりどり日記

2025/11/1 沼のほとり

久しぶりに訪れた沼のほとり。もしかするとコガモや気の早いヨシガモなどの姿が見られるかもしれないとの思いで出かけて見たのだが、辺りはひっそりとして遠くにカワウの姿が見えるだけであった。

しばらくするとカルガモが二羽、三羽、五羽と姿を見せ蓮の葉の影になったりしながら、楽しそうに泳いでいる。そのうちの二羽が蓮の葉影に入って、まるでカクレンボでもしているようである。ほんのひととき、何とも心和む光景であった。

2025/11/4 ベランダバードウォッチング

朝の日差しの中で小鳥の声が聞こえて来る。急いでベランダに出てみるとヤマガラ、コゲラ、メジロの姿が朝日を浴びてシルエット状に見え隠れしている。急いでカメラを準備するのだが、何分にも朝の太陽がまぶしくて、どのようにカメラを構えて良いのか大いに迷ってしまう。

半ばあきらめ気味でレンズを向けてみた。コゲラもヤマガラもブレブレ。とてもお見せできるものではない。右手の木の中を軽やかに移動していたメジロが何とか1枚。写真を撮らせてくれた。朝のひととき、楽しいベランダ・バードウォッチングであった。

2025/11/6 ヤマトシジミ

久しぶりに手賀沼周辺を車で回ってみることにした。桜の頃には、たくさんの人でにぎわう川沿いの道。流石に今の時期は、ひっそりとしていて伸び放題の草木が行先を遮るほどである。そこに聞き覚えのある鳥の声が聞こえて来た。ところがその鳥の名前がなかなか浮かんでこない。姿が見えれば、流石に何の鳥か分かるのだがと内心もやもやしながら草深き径を進む。

そうだ!ツグミだ!やっと思い出した。何と20羽を越すと思われるツグミの群れが飛び立った。飛来したばかりのツグミの群れであろう。警戒心の強いこと。強いこと。とても撮影できそうもない。諦めて、足元を見るとヤマトシジミが優しい色の翅を広げて慰めてくれた。

秋の日のひとこまである。

2025/11/8 ハクセキレイ

時折、田園地帯を車で一回りすることがある。この日は、近くの昔懐かしい風景の田んぼを回ってみた。今、農業も機械化が進み、以前のような田んぼではなく、畔のない広い広い田んぼになってしまった。田植えにしても五月女が並んでする光景など夢物語である。

田んぼを耕すためにトラクターが入り黒黒とした土が生き生きと輝きをはなっている。そこにハクセキレイが集まって来た。全部で10数羽、いやもっといたかもしれない。せっせと餌取をしている。その光景が、なんとものどかで心癒されるものであった。

昔懐かしい風景の田んぼ。いつまでもこの姿を残して欲しいものである。

2025/11/11 カラスウリ

桜の頃には、賑わいを見せた川沿いの道。今は、ひっそりとしてまったく人影もない。前方には、まだ真新しい轍の後が見えるが、農家の方が田んぼの見回りに来られたときのものであろうか。

時折、聞こえてくるのは、ヒヨドリの声。シジュウカラの声も聞こえてくる。草深き川沿いの道に赤味を帯びた植物が見えて来た。カラスウリである。夏の頃、夜間に妖艶な花を咲かせるカラスウリ。そのカラスウリが赤味を帯びた美しい楕円形の実となって、今、目の前にある。その光景がなんとも嬉しく心に残るものであった。

2025/11/12 木瓜の花

自宅近くの小さな公園。ここでは、四季を問わず木瓜の花が見られるようだ。しばらく訪れることがなかったが、公園についてみると可愛いピンク色の木瓜の花が目に入った。紅葉した樹々は、いろいろ見られるが、あまりお花を見かける機会がなかったので、心和むものがあった。

白色の木瓜の花も以前は、見られていたのだが、今回は、このピンクの花だけである。優しい色合いが、心に染み入り、元気をもらえたようだ。また、訪ねてみたいものである。

2025/11/14 ヤマガラ

自宅近くの散歩道。ずいぶん足が遠のいていたのだが、少し体調が落ち着いたので、ゆっくりゆっくり歩いてみた。ムラサキシキブが小さな可愛い紫色の粒をびっしりつけて控えめに微笑んでいる。通りがかりの婦人が、「ムラサキシキブを撮影されたのですか?」と声をかけてくださった。

少し足を伸ばすとエゴノキが数本見えてくる。その中の一本にびっしり実をつけたエゴノキがあり、ヤマガラが一羽飛んできた。少し離れて静かに待つと次々にヤマガラが飛んでくる。多いときには、一本のエゴノキに6羽ほどヤマガラが集まって熱心に採餌している。その様子が、なんとも微笑ましくて心和むものがあった。

ゆっくり歩く散歩道。エゴノキの実があるうちに、また訪ねてみたいと思う。

2025/11/16 散歩道

ずっと気になっていたホトトギスの花。ゆっくりゆっくり歩きながら、目的地に到着。自宅から10分もしない距離、実に静かな空間である。そこにひっそりと咲いていたのは、まぎれもなくホトトギス。もう少し早く訪ねてみたかったが、いろいろ用事が重なり、今日になってしまった。この優しい雰囲気が大好きである。

2025/11/19 散歩道

ずっと気になっていた紅葉の名所。自宅から車で15分ほどのところにある。まだ早いと思っていたのだが、紅葉も黄葉も楽しむことが出来た。秋の日差しが柔らかく紅葉の葉を照らし、どこか遠い地を訪ねたような気分をひととき味わうことが出来た。

もう数日、時間をおいて、ふたたび訪ねてみたいと思う。秋の日差しがやさしく微笑んでくれた。

2025/11/20 散歩道

自宅近くの散歩道。ずっと気になりながら、脚が不調でしばらく外出を控えていた。ようやく少し落ち着いて来たので、ゆっくりゆっくり歩いてみた。気になっていたフジバカマにシジミチョウが次々に姿を見せてくれる。何とも嬉しい光景で胸弾み、夢中でシャッターを押していた。秋の日差しが柔らかく降り注ぎ、まるで童話の一ページを切り取っているように見えた。

のどかなのどかな散歩道。ゆっくりゆっくり歩いている。

2025/11/22 散歩道

秋の日差しが柔らかく降り注ぐ散歩道。相変わらずゆっくりゆっくり歩いている。夏の暑さがいつまでも残っていたので、秋の涼しさを感じる前にすでに冬の気配が近づいているのを感じる。散歩道で初めて出会うお花を見つけた。帰宅後、調べてみるとネリネ、別名ダイヤモンドリリーというらしい。

岩のようなところには、キタテハ。少し歩くとアキアカネにも出会った。ゆっくり歩く散歩道。心癒されるひとこまである。

2025/11/23 ベランダ・バードウォッチング

曇り空の朝、ベランダに出てみると♫チーチー♫チーチーとメジロの可愛い声がする。いつも朝のひかりが眩しくて良く見えないのだが、メジロが数羽、木々の間を飛び交っているのが見える。

右手の木の方角から♫コンコン♫コンコンと木を打つような音が聞こえて来た。コゲラかもしれないと辺りを探してみる。何と音の主は、ヤマガラであった。木の実を打ち付けている音のようである。久しぶりにベランダでの鳥見が出来、嬉しい朝である。

2025/11/24 散歩道

自宅近くの散歩道。家を出て、ほんの少し歩いただけで色々な植物が待っていてくれる。その出会いのひとつひとつが新鮮で心躍るものである。

この日の出会いで、まず目に留まったのは、ヒナギクの花。つづいてシモツケ。ひっそりと目だたないこの2種の花は、心癒してくれるものである。紫陽花の葉の色も新鮮に見えた。その季節には、皆の心をひきつける花を見せてくれるが、季節外れの葉も趣があって良いものである。

2025/11/26 散歩道

ゆっくり歩く散歩道。自宅と目と鼻の先にある。毎朝、小鳥の声で目が覚めると言ってもオーバーではないほど、小鳥が身近に居る環境である。ところが散歩の折、カメラを持参しても、なかなかモデルになってくれないのは、残念なことである。

この日、やわらかな日差しの中で真っ赤なツタが心和ませてくれた。緑の葉と共に、その姿は、実に美しい。しばらくこの美しい姿を楽しませてくれることだろう。

2025/11/28 散歩道

自宅近くの散歩道。緑が多く、朝は、メジロの声、ヤマガラの声、時には、ウグイスの地鳴きが聞こえて来る。朝の光を受けながらゆっくりゆっくり歩いてみるといろいろな発見があって嬉しくなる。

高い崖の上を見上げるとザクロの実がびっしりついているのが、目に入った。すでに割れて地上に落ちているザクロもある。自然がいっぱいの散歩道。ゆっくりゆっくり歩いている。

2025/11/30 散歩道

ずっと気になっていた散歩道の紅葉。散歩道とは言え、少々遠いので、現地までは車で行き、境内をゆっくり歩くのが、私のお気入りの散歩道である。

シーズン真っただ中のようで、車や自転車、バイクの方々まで駐車場は、いっぱいであった。まず最初に目に飛び込んで来たのは、あまりにも鮮やかで美しい紅葉であった。その紅葉の上に、イチョウの葉が舞い落ち、おとぎ話の世界のようである。どきどきしながらレンズを向ける。足元では、イチョウの葉がびっしり絨毯のように敷き詰め、幼子が、小さな手で掬いとり、舞い上げる。何とも微笑ましい光景であった。

後、数日、この紅葉は楽しめることであろう。是非、また行ってみたいものである。